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京都鰹節は水産加工会社(九州)に産地訪問しました
去る2024年5月16日(木)-17日(金)に、弊社は社長の志村と取締役の建田が長年の仕入れ先である九州の水産株式会社様を表敬訪問しました。テレビや雑誌などには中々出てこない現場ならではの生の情報を聴取しましたので、節づくりの現地の様子や課題について多くの皆様に広く知っていただくべく、5月に引き続き第2弾として記事にまとめました。
伝統文化と市場の変化
当地の文化は、節づくりと密接に結びついています。当地全体では1日に鰹200トン、鯖70-80トンの加工があるとのことで、このうちの3分の1が残渣として処理され、肥料や飼料として再利用されています。昭和30-50年代にはカビ付の節が人気でしたが、作り手と需要の減少や製造期間などの理由から、現在ではカビなしの節が主流となっています。しかし、上質な節を作るための手間は惜しまず、品質を守るための努力が続けられていました。
環境の変化
地球温暖化などの環境変化が起因しているせいか、鯖やメジカなどの生息地もどんどん北上しており、例えば高知県室戸沖で上がっていた魚も最近は和歌山県紀州沖に移動していることもあるそうです。魚が地元で上がらなくなると、離れた漁港の魚を買い付けることになり、その分運賃などがかかって経費を圧迫することも深刻な課題です。
未来の展望
資源不足や人不足など様々な課題がある中で、水産加工会社はこれまで先人たちが紡いできた節の文化を次世代に継承すべく奮闘しています。継承のためには、自助努力だけでは限界があります。資源保護のための外国への働きかけ、技能実習生が変わらず来日するための仕組みづくりなど行政とも密に連携していく必要があるでしょう。また、高品質な節を享受できているのは、手間暇をかけ妥協なく丁寧に節を製造してくださる方々がいてこそであることを改めて認識いたしました。京都鰹節は生産者と消費者の間にいる立場として、生産者の想いのバトンを正しく消費者に届けるべく今後とも邁進して参ります。